2023年5月31日

人気の大型補助金「ものづくり補助金」について解説!

最終更新: 2023年7月5日

こんにちは。公認会計士・税理士の古谷です。事業を営むにあたっては設備投資など、いろいろとお金がかかりますよね。特に大型の設備投資を行うにあたっては、補助金を利用したい、といった方も多いかと思います。今回はそんな方向けに、中小企業者に人気の大型補助金「ものづくり補助金」について解説していきます。

目次

①ものづくり補助金とは

②類型(申し込み枠の種類)

③募集期間

④補助対象者

⑤補助額・補助率

⑥補助対象となる事業や経費

⑦申請に必要となる書類

⑧まとめ

①ものづくり補助金とは

中小企業が経営革新のための設備投資等に使える補助金です。ここでいう「経営革新」とは、新商品(試作品)開発、新たな生産方式の導入、新役務(サービス)開発、新たな提供方式の導入等が挙げられます。簡単にいうと、今までになかったような新規の取り組みを実施するときに利用できる補助金といえるでしょう。

また「ものづくり」という名前から製造業向けの補助金というイメージを持たれる方もいるかもしれませんが、特に製造業に限った補助金ではなく、幅広い業種の方が申し込めます。最近では、アプリ開発やシステム開発等の採択例も増えてきているので、アプリ開発等を計画している方はものづくり補助金の申請を検討してみてもよいのではないでしょうか。

なお、アプリ・システム開発の際の補助金申請のポイントは、こちらのコラムで詳しく解説しています。

下記リンク先がものづくり補助金のHPです。申請に際して大事な公募要領(申請のルールなどが記載されているもの)や採択結果、成果事例等が紹介されています。成果事例は他の企業がどのような新規の取り組みを行っているかが分かりますので、ご自身の事業に補助金が利用できるか検討する際にとても参考になると思います。

ものづくり補助金HP

https://portal.monodukuri-hojo.jp/

また、公募要領は非常に読みづらいのですが、概要版にはわかりやすく申請のルール等がまとまっていますので、まずはこちらを確認されるとよいと思います。

ものづくり補助金の公募要領(概要版)

https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/14th/gaiyou_14_20230119.pdf

②類型(申し込み枠の種類)

ものづくり補助金は以下の大きく一般型/グローバル展開型に分かれており、また一般型は通常枠、回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠、グリーン枠があります。

これらのうち、特に人気があるのは、通常枠とデジタル枠です。

それぞれ補助上限額や補助率に違いがありますので、ご自身にあったものを選びましょう。

なお、デジタル枠についてはこちらのブログで詳しく解説しております。

③募集期間

通期で募集されており、募集期間は約3か月毎となっているので、ご自身の都合に合わせて申請することが可能です。

④補助対象者

補助対象者は、中小企業等です。

また、以下の3つの要件を満たす事業計画(3~5年)を策定する必要があります。

  • 付加価値額(+3%以上/年)

  • 給与支給総額(+1.5%以上/年)

  • 事業場内最低賃金(地域別最低賃金+30円)

⑤補助額・補助率

補助額はそれぞれの型によって以下の通り定められています。

一番申請者が多い、「一般型・通常枠」であれば、補助額は最大1,250万円、補助率は1/2(小規模事業者は2/3)です。

<補助額>

一般型:上限2,000万円

グローバル展開型:上限3,000万円

(ビジネスモデル構築型:上限1億円)

<補助率>

一般形

・通常枠:1/2(小規模事業者は2/3)

・その他の枠(デジタル枠など)は2/3

グローバル展開型

・1/2(小規模事業者は2/3)

⑥補助対象となる事業や経費

「試作品開発・生産プロセス改善」または「サービス開発・新提供方式導入」のいずれかの事業分野の事業が補助対象となります。

対象経費は以下の通りで、機械装置・システム構築費や外注費等が含まれています。

<補助対象経費>

ものづくり補助金の公募要領(概要版)より

なお、従業員の人件費やパソコンの購入、会社HPの作成等にかかる費用は補助対象外なので注意しましょう。

⑦申請に必要な書類

・事業計画書

・賃金引上げ計画の表明書

・決算書等

・その他加点に必要な資料(任意)

上記のうち、事業計画書等は必須書類となっており、加点項目が別途あります。特に事業計画書はWordで10ページ程度は記載が必要なので、準備にかなり時間がかかります。余裕をもって準備するようにしましょう。

また、加点に必要な書類については、用意できるものがあればぜひ用意しておきたいです。開業届や履歴事項全部証明書等、比較的用意が簡単な書類もありますので、確認しておきましょう。

⑧まとめ

・ものづくり補助金は、中小企業が経営革新のための設備投資に使える補助金

・通期で公募されているため、自分のスケジュールで申し込みが可能

・補助額は、一番人気の「一般形・通常枠」なら、上限1,250万円、補助率は1/2(小規模事業者は2/3)

今回は、人気の大型補助金「ものづくり補助金」について解説しました。

補助金申請は、経験がなく、公募要領等を読んでもよくわからない、という場合も多いと思います。

補助金申請についてお悩みの方はお気軽にご相談ください。初回相談は無料ですので、お気軽にご連絡ください。