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フリーランス向け小規模企業共済とiDeCoの使い方と節税効果を税理士が解説

  • furutomo10
  • 8月10日
  • 読了時間: 4分

フリーランスや個人事業主にとって、「節税」と「老後資金づくり」は避けて通れないテーマです。特に小規模企業共済と**iDeCo(個人型確定拠出年金)**は、国が用意している制度で、税負担を減らしながら将来資金を積み立てられる強力な手段です。


しかし、両方とも「掛金全額が所得控除」という共通点があるため、違いが分かりにくく、どちらを優先すべきか迷う方も多いです。今回は、税理士の視点でそれぞれの制度の特徴、メリット・デメリット、選び方を徹底解説します。



1. 小規模企業共済とは?


小規模企業共済は、中小企業基盤整備機構が運営する、フリーランスや中小企業経営者のための退職金制度です。


加入条件

  • 個人事業主(業種・売上規模は問わない)

  • 法人の役員(従業員数20人以下/商業・サービス業は5人以下)


掛金

  • 月額1,000円~70,000円(500円単位)

  • 年払い可(年間84万円が上限)

  • 掛金は自由に変更できる(年1回まで)


主なメリット

  1. 掛金全額が所得控除

    • 課税所得が高いほど節税効果大

    • 例:課税所得500万円、掛金年間60万円 → 約18万円の税金が軽減


  2. 元本割れのリスクがIDECOより低い

    • 満期や廃業時には掛金以上の額を受け取れる(利息+運用益付き)


  3. 契約者貸付制度がある

    • 掛金の範囲で低利率(年1.5%程度)で借入可能

    • 急な資金需要に対応できる


  4. 受取時の税優遇が手厚い

    • 一括受取→退職所得控除

    • 分割受取→公的年金等控除


主なデメリット

  1. 途中解約で元本割れの可能性

    • 240か月(20年)未満で任意解約すると掛金割れする場合あり


  2. 資金がロックされる

    • 廃業や退職以外では原則引き出せない(貸付制度を除く)


  3. 利回りは低め

    • 安全性重視のため、運用益は限定的



2. iDeCo(個人型確定拠出年金)とは?


iDeCoは、自分で積み立て、自分で運用する私的年金制度です。積立額は全額所得控除になり、さらに運用益が非課税になるため、長期的な資産形成に向いています。


加入条件

  • 20歳以上60歳未満の国民年金被保険者

  • 国民年金保険料の納付が条件


掛金

  • フリーランス(第1号被保険者)の上限:月68,000円(年81.6万円)

  • 月5,000円から設定可能

  • 年単位で掛金変更可能(年1回まで)


主なメリット

  1. 掛金全額が所得控除

    • 節税効果は小規模企業共済と同様


  2. 運用益が非課税

    • 通常の投資では約20%課税される利益が、iDeCoなら非課税


  3. 受取時も税優遇

    • 一括受取→退職所得控除

    • 年金形式→公的年金等控除


主なデメリット

  1. 60歳まで資金引き出し不可

    • 老後資金専用のため、途中で現金化できない


  2. 運用リスクがある

    • あくまで投資のため、元本割れの可能性あり(選択商品による)


  3. 手数料がかかる

    • 加入時手数料(2,829円)、運営管理機関手数料(月額数百円~)



3. 小規模企業共済とiDeCoの比較表

項目

小規模企業共済

iDeCo

掛金上限

月7万円

月6.8万円

節税効果

掛金全額所得控除

掛金全額所得控除+運用益非課税

元本割れリスク

基本無し(途中解約等の場合一部あり)

あり

資金引き出し

廃業・退職時など

原則60歳以降

資金用途

廃業後の生活資金

老後資金

運用リスク

なし

あり

貸付制度

あり

なし

手数料

なし

加入・管理手数料あり



4. どちらを優先すべき?

税理士としては、まずは小規模企業共済を優先することをおすすめします。

理由としては以下の通りです。


  • 元本割れのリスクがIDECOより低く、安全性が高い

  • 契約者貸付で資金流動性が確保できる

  • 節税効果はiDeCoと同等


その上で、余裕資金があればiDeCoを併用することで、運用益非課税のメリットを享受できます。



5. 節税効果の試算例

課税所得500万円のフリーランスが掛金を満額拠出した場合


  • 小規模企業共済 年84万円拠出 → 約25万円の節税

  • iDeCo 年81.6万円拠出 → 約24万円の節税+運用益非課税


両方併用すると、年間約49万円の税負担軽減効果があります。



6. 注意点まとめ

  • 無理な掛金設定は資金繰り悪化の原因になる

  • 小規模企業共済は20年未満解約で元本割れリスクあり

  • iDeCoは60歳まで引き出せないため、短期資金には不向き



【まとめ】計画的な活用で節税と資産形成を両立

小規模企業共済は安全性重視、iDeCoは長期運用重視。両方を理解して、自分の事業状況やライフプランに合わせた掛金設定を行うことが重要です。



▶ 節税シミュレーション承ります

「自分に合った掛金額を知りたい」「併用した場合の節税額を知りたい」という方は、節税額の試算と資金計画を含めた無料相談が可能です。お気軽にご相談ください。



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